カイワレです。
この3年、首を長くしすぎてちぎれて皮一枚でかろうじて繋がってるレベルで待ち侘びていたフジロック。
あっという間の最終日です。
とうとう、今日で終わってしまうのか……なんてしんみり感情に浸る朝……
にはならず、「暑い!」と叫びながら目を覚ますそんな朝です。
《FUJI ROCK FESTIVAL '22 最終日7/31》
信じられますか? 3日間全日通してピーカンですよ。
いや気持ちいい空の青さでしたけどね。
たぶん、3日通しで参加してるフジロッカーは全員思ったはず。
「そろそろ……雨、降ってもええんやで?」と。
大豪雨の2019年からの振れ幅よ落差よ!
なんやねーんと思いながら、風呂で汗を流し、とりあえず腹ごしらえ。
キャンプサイトに来てたCHAMSキッチンカーのホットドッグ。めっちゃ高かったけど、相応に美味かったのでヨシ。
そして、この日まず向かったのはピラミッドガーデン。
今回が4回目の参加になるフジロックですが、実はピラミッドガーデンは今回初入場のエリアです。
なんてったって奥地も奥地、しかもあらゆるメインステージから一番遠い、秘境といって差し支えない場所。
オフィシャルツアー利用の方やムーンキャラバン利用の方でない限りは、なかなか行くのをためらってしまう距離にありますよね。
でも今回行ってわかった、超〜居心地がよい。
はためくフラッグと、バカ騒ぎのない穏やかなガヤガヤが気持ちいい。
ガパオ&カレーを食べ食べ、みんながヨガしてるのを丘の上から眺めながら。
私はシートを敷いてごろ寝しておりました。
デイドリーミングもそうだけど、喧騒からいったん離れられるエリアってのはやっぱ必要ですね。
心の整い方が違うというか。
3日目最終日なこともあって、たまった疲労感がほどよくほぐれていく感触がありました。
なんかカッコつけて「整う」とか言ってますが、"休足時間"をありったけ貼って寝転がってただけなんですけどね。
昨日のレポ、「速攻で寝ちゃって大誤算!!」と書きました。
昨日足に湿布貼らずに寝てしまって今日死ぬ予感がしていますおはようございます
— カイワレたぬき (@babel_raccoon) 2022年7月30日
用意していたアミノバイタルだのサロンパスだの体力回復手段、何も使わずに翌朝を迎えてしまいまして。
テントは暑くていられないし、出かけながら足を癒すならせめて湿布臭くないやつでごまかしたい……という気持ちでこの商品を貼りまくってごろごろしておりました……情けない……
はい。
朝8時ごろからゴロゴロごろごろを続けまして。
そんな状態なのにピラミッドガーデンまで乗り込んできたのは、この人たちをどうしても観たくて。
ミズですよ〜。
MONO NO AWAREのVo.玉置氏とGt.加藤氏が組んだアコースティックユニットです。
私、MIZももちろん好きですが、まずMONO NO AWAREの大ファンなんですよね。
ストロークスが都会的なんだとしたら、ストロークスのサウンドで田舎明るいユーモアある楽曲をやっているような、そんなバンドだと勝手に思ってます。
去年のフジロックの彼らのステージ、観ましたか?
どんなバンドもコロナに向き合ってきたとは思いますが、このバンド以上に言葉を尽くしてくれた人たちもなかなかいないんじゃないかなと思いますよ。
これはそのステージ前にバンドから出たステートメントですが、やっぱりよく伝わってくる。
FUJI ROCK FESTIVAL ’21 ご来場予定の皆さんへ|MONO NO AWARE OFFICIAL SITE
去年の某バンドや今年の某SSWが現場主義発言してましたが、私は選民思想じみたそういう考え方は嫌いだし、やっぱり音楽は娯楽だけどある程度開かれていてほしい。
この混迷の時代だからこそ、選択肢があってしかるべきだと思います。
そういう中でこのバンドは「不安な人は来なくても大丈夫」と言ってくれる優しさがある。
去年のフジロックのMCでも、「賛成とか反対とか声をあげるわけではなく、見守ることを選んだ人たち」の想いを汲んでくれていて、なんか楽曲だけじゃなくてそういう人柄までも好きになってしまったんですよね。
私はこの曲が大好きなのですが、もうなんか画面越しに伝わってくる優しさで涙ぐんでしまいました。
さぁそんな思い入れある人たちを見に来たわけですが。
とはいえ、バンドではなくアコースティックユニットなので、小さなステージになんとなく人が集まったような、そんな感じで。
「虫の声よりも小さな音しか出ないバンドことMIZです」
なんて自己紹介から始まったライブは、終始ユルく、しかし気持ちよく。
大音量のライブばかり見てきた耳に優しい、確かに小さな音ではあったけども心地よいサウンドでした。
何より二人とも楽しそうで。
途中、玉置氏が「キモチイイ~!」なんてこぼしてたのが印象的でしたね。
苗場の昼前にうってつけの時間でした。
癒しの時間を過ごした私ですが、しかしMIZが終わるなり猛ダッシュ(猛早歩き)です。
なんたって20分後にはグリーンステージで次のアクトが始まってしまう!
ピラミッドガーデンは先述のとおり最奥地です。
まぁ、次がヘブン!とかよりはマシだったわけですが……それでも遠い!
いい写真がな~い!ジャパニーズブレックファストです。
今回もツアーお決まりの犬の衣装でキュートに歌ってくれました。
コーチェラのときにPAの問題なのか声小さくね?と思ってて心配でしたが、杞憂でしたね。
のびやかな歌声が昼間のグリーンに響き渡って、気持ちよかったです。
どうでもいいですが、あの衣装を見るたびに天元突破グレンラガンを思い出しますねぇ。
お次はレッドマーキー。
大象體操です。
2020中止のリベンジ組の一角ですね。
台湾のマスロックバンドですが、まぁほんとバカウマですよね。
バキバキもバキバキ。
ストイックな演奏とは裏腹に、MCでは紅一点のKTが「スマホをグリーンステージで落とした」なんてほっこりする話も。
すいません勝手に引用しますが、いいMCだったので文字起こしをば……
レッドマーキーのエレファントジム elephant gymのMC、かなりよかったので書き起こしておきます。ちょっと聞き取りにくいとこあったんで正確ではありませんが…。とにかく演奏も最高ということです #fujirock #fujirock2022 #フジロック #フジロック22 pic.twitter.com/zZ0AR0MZJ3
— 入江 直樹 Naoki Irie (@_naokiirie) 2022年7月31日
大好きな『中途』もしょっぱなで聴けて大満足でした。
酔いしれていたかったですが、次のアクトが待っています。
この日はタイムテーブルがパンパンになってしまって、移動がしんどかった……
レッドからヘブンへ向かう道中、ボードウォークで鈴木雅之御大の「め組のひと」が聞こえてくるではありませんか!
このときホワイトは入場規制かかってましたね。
ボードウォークまで人が溢れかえってました(でもボードウォークで立ち見は良くないと思うよ)。
大名曲を偶然耳にできてホクホクしながら、3度目のヘブンへ。
ギュン!アルトゥン!
ハライチ澤部氏がアメトーークで激推ししたことで話題を呼んだトルコバンドですね。
すご〜く楽しみにしてたアクトですが、この時点で私はかなり疲れ切っていて、もったいないけど座ってゆっくり観ようかな……
と、思ってたんですが。
後半思わず立ち上がって踊ってました。
いや〜、だって楽しいんだもん。
(このタイミングで一瞬だけ小雨が降って涼しくなったのも元気を取り戻した要因かも)
英語以上に何言ってるかさっぱりわからんわけですが、どうでもよくなるのが音楽のいいところですね。
さて、MIZからずっとハッピーなアクトが続いていた今日ですが。
次は2018年のフジロック、レッドマーキーでキレていたこの人です。
オロノです。
いやね、2018のときも、日本嫌いを公言してる人なんで大丈夫かな〜となんとなく不安だったんですが、案の定かなりキレてまして。
今年のフジロック前にCHAIとインタビューされてた記事で本人も言ってますが、棒立ち見系オッさんが気に入らなかったご様子。笑
でもちょっと気持ちわかるんですよね。
人それぞれの観劇スタイルがあっていいよね、とも思うんだけども……
ど真ん中前方とか、なんなら最前とか、あるいは後から前方に割って入ってきたくせに、仁王立ちで少しも揺れずに観てる人。
大体オッさん。まぁ若い人でもちょくちょくいるけどね。
どういう気持ちなんだ?と不思議に思わずにはいられないすね。楽しんでんのかほんまに?
なんて。閑話休題。
そんな前回のパフォーマンスに直前のこのインタビューがあったもんだから、ちょっとソワソワしながらホワイトステージに向かったわけですが。
最初はオロノも「ああ、日本だわ……」みたいな不機嫌そうな顔してましたが、途中から切り替えて楽しんでそうに見えてよかったですね。
インタビュー通り、つまんなそうな奴より楽しそうな奴に目を向けたってことでしょうね。
何より、ラストの『Something for Your M.I.N.D.』の前に、観客をステージ上に上げるサプライズ!!
「ハーモニカ吹ける人いる!?ハーモニカ!ハーモニカ!!」言ってたの面白かったなぁ。
シンガロング求めたりステージに上げたり、ちょっとコロナ的には気になっちゃうパフォーマンスだったけども、最終的には大ハッピー空間を作ってくれました。
ホワイトを後にして、今度はグリーンに向かいます。
トリ前ですね。
ねぇ〜トムミッシュですよ。
実はこの時間帯は、BREIMENも観たかったんです。
で、予習段階では「好きだけど『Disco Yes』だけ聴ければいいかなトムミッシュは」なんて思ってて、苗場食堂とグリーンを行ったり来たりしようと思ってたんですよ。
思ってたんですけどね。
1曲目『What Kinda Music』のサビの伸びやかなファルセット。
これが夕暮れのグリーンステージの山々に響き渡った瞬間。
youtu.be
(ちょうどサビから聴けるようにしたから踏んでみて!)
なんか鳥肌立ちましたね。
「あ、もう観ようこれ。観なきゃいけないヤツだこれ」なりましたもん。
この感覚は、現地じゃないと伝わらないっすなぁ……。
グリーンのいいところは、やっぱ山に響いていく音の気持ちよさが、他と比べて圧倒的なところですよね。
BREIMENには申し訳ないけどここを動けそうにないわ。という感覚になりました。
そこからはもう完全に虜。
ある意味、苗場には似つかわしくないアーバンなサウンド、だけどどう考えてもグリーンで聴かなきゃいけない音。
生音で聴くとこんなに変わるのか……と興奮しながら、クネクネと体が踊り出すのを止められなかった。
はたから見た私はさながら海藻のようなチー牛だったことでしょう。
でも最高に気持ちよかった。
フジロック前はメンタルバランスを崩しているっぽかったトムも、だんだん気持ち良くなって表情が明るくなっていったのが印象的でした。
トムの奏でるエロすぎギターに酔いしれる1時間強。最高でした。
もうこんなの聴いたらほかの音楽聴けないヨ~なんて思いながら、しかし私の足は苗場食堂に向かいます。
Tempalayフロントマン小原氏のソロプロジェクト。
いや~Tempalay大好きで。見ないわけにはいかないアクトでしたね。
というのも、音源をちゃんとリリースしてないバンドなんですよ。
"ちゃんと"という言い方は語弊があるかもですが、枚数限定シングルしか出してないし、サブスクもなし。
なので聴きたいなと思ったら、限界地方民族は都会のタワレコに出かけるか、ライブを観に行くかの二択しかない。
というわけで観に来たんですね。
なんというか、初期Tempalayの楽曲にあったふざけ感というかユーモアというか、それがアップデートして出てきてるなぁという印象でした。
楽しんでそうで何よりでしたし、しっかり楽しませてもらいました。
BREIMEN高木氏が酒回ってんのか前のステージで燃え尽きたのか、終始死にそうな顔してたのが面白かった……大丈夫かよ……。
かくして、私のフジロック'22は終わりました。
観たいアクトはすべて観ました。
終わっちまったな……俺の今年のフジロック……
足の疲れと痛みが限界に達していました。
もはや引きずりながら歩き、イエロークリフで夜食を食べながら休憩。
モニターでムラマサを観ながら。
帰りたくなさすぎて、だらだらしながらテントに帰りました。
蓋を開けてみれば3日間ほとんど雨は降らず、今年がフジ初参戦という方は拍子抜けしたかもしれません。
日焼けがエグくて、これを書いている今は腕の皮がめくれてきています……。
そうそう、コロナの話ですが。
帰宅〜〜!!
— カイワレたぬき (@babel_raccoon) 2022年8月1日
リストバンド外す時が一番切ないね……
一応抗原検査キット使って陰性でした🙌 pic.twitter.com/jenQY9xq11
一応、帰ってすぐ抗原検査をしてみて、陰性ではありました。
ちゃんと認可キット使ったので、ある程度の精度を期待したいところです。
もう1週間以上経ちますが、体調もとくに問題なしです。
ただ、やっぱり現地では、ちょっと勘弁してくれよ……という人たちがまぁまぁ多かったのも事実ですね。
密なステージ前方でマスクしないで喋りまくってる人。
ポイントに沿ってソーシャルディスタンスを保とうとしているのに、空いてんじゃんとばかりに後から割り込んでくる人。
なんならステージ前方で酒飲みながら見てる人。
特に、プラネットグルーヴになった後のレッドマーキーがひどい印象でしたね。
やっぱお酒があかんのやろか。
スタッフがステージ前方をパトロールしてマスクしてくださいと注意する場面もありました。
ただ、昨年と比べれば運営側が緩かったという声も聞きましたので、ウィズコロナ、自己責任に任せるという方針なのかもしれませんね。
来年のフジロックまでにコロナがどうなっていることかわかりませんが、無事また開催となることを祈るばかりです。
ともあれ、やっとフジロックに参加することができて、最高の時間を過ごすことができました!
マイベストアクトはBonoboとTom Misch、次点にFOALSですね。
これにて、ぼっちチー牛フジロック'22レポートは終了です。
また追々、皆さんの参考になるかな〜と思いますので装備なども記事にしていきたいと思います。
ではまた!